ネットの海の漂流者

インターネット上で話題になっている問題を検証しています。

*

「外部電源喪失 地震が原因」について、その2

   

その1を読んでいることを前提として書きます。

**重要な施設には自家発電がある。
病院など、停電したら困る施設は外部からの電力が途絶したケースに備えて自家発電を用意しています。
外部電源が止まっても自家発電(内部電源)があれば全電源喪失にはなりません。
内部電源が壊れても、外部電源が生きていれば全電源喪失にはなりません。
この手の施設が停電するというケースというのは基本的には、外部と内部両方の電源が同時にやられたときになります。

この辺は原発も一緒です。

/外部電源無事外部電源喪失
内部電源無事
内部電源喪失×

福島第一原発の場合、地震によって外部電源が停止し(鉄塔倒壊等)、津波によって内部電源がやられて(13機中12機即死,その後直ぐに残り1機もダウン)全交流電源喪失状態になりました。

外部電源が停止した原因は地震であり(鉄塔倒壊)
内部電源が停止した原因は津波であり
全電源喪失の理由は両方、という事になります。

**そういった理解の上で
-外部電源喪失 地震が原因/吉井議員追及に保安院認める
を読むと
この記事はあくまで外部電源喪失について語っているに過ぎないことが分かります。
しかし、ネット上において、全電源喪失の原因は地震である、と読んだ人が少なくなかったようです。
その理由の一つに匿名掲示板にちゃんねるのニュース系スレッドの影響があります。

福島原発事故最大のアンタッチャブル…電源喪失は津波が原因ではなかった

1 :名無しさん@涙目です。(関東・甲信越):2011/04/30(土) 17:25:37.36 ID:kFkzTkNUO● ?2BP(8045)

外部電源喪失 地震が原因 吉井議員追及に保安院認める

 日本共産党の吉井英勝議員は27日の衆院経済産業委員会で、地震による受電鉄塔の倒壊で福島第1
原発の外部電源が失われ、炉心溶融が引き起こされたと追及しました。経済産業省原子力安全・保安院
の寺坂信昭院長は、倒壊した受電鉄塔が「津波の及ばない地域にあった」ことを認めました。

 東京電力の清水正孝社長は「事故原因は未曽有の大津波だ」(13日の記者会見)とのべています。吉井氏は、
東電が示した資料から、夜の森線の受電鉄塔1基が倒壊して全電源喪失・炉心溶融に至ったことを暴露。
「この鉄塔は津波の及んでいない場所にある。この鉄塔が倒壊しなければ、電源を融通しあい全電源
喪失に至らなかったはずだ」と指摘しました。

 これに対し原子力安全・保安院の寺坂院長は、倒壊した受電鉄塔が「津波の及ばない地域に
あった」ことを認め、全電源喪失の原因が津波にないことを明らかにしました。海江田万里経産相は
「外部電力の重要性は改めて指摘するまでもない」と表明しました。

ttp://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-30/2011043004_04_0.html

福島原発事故最大のアンタッチャブル…電源喪失は津波が原因ではなかった

このスレッドタイトルには2つの大きな間違いを含んでいます。
**アンタッチャブルでもなんでもない
鉄塔が地震で倒壊し送電できなくなった点ですが2011年3月19日の読売新聞に以下のような記述があります

東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所で記録した揺れの最大加速度が、経済産業省原子力安全・保安院が同原発の耐震安全の基準値として認めた数値の4分の3に過ぎない448ガルだったことが18日、わかった。

 地震の揺れは想定内だったが、高さ6メートル以上とみられる想定外の津波が、原発の安全の根幹に関わる機能を喪失させた可能性が高い。

 同原発の2台の地震計で記録された今回の地震の最大加速度は、448ガルと431ガル。東電は同原発で予想される揺れの最大値を600ガルと想定していた。しかし、東電関係者の証言によると、この揺れによって、送電線を支える原発西側の鉄塔が倒れた。その結果、自動停止した原発に送電できなくなり、1~3号機の冷却機能がストップした。

 続いて襲来した津波は海水ポンプを水没させた後、タービン建屋にぶつかり、原子炉建屋の脇を抜けて西側にある小山の麓までを水没させた。緊急炉心冷却装置(ECCS)などを動かす非常用ディーゼル電源も海水に漬かり、6号機を除き使用不能になった
(後略)

津波は想定以上、揺れは想定内…福島原発 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

地震によって外部電源が途絶したというのは、アンタッチャブルどころか一ヶ月以上前に報道された既出情報なわけです。

**外部電源途絶の話が全電源喪失喪失の話に変わっている
【Before】 外部電源喪失 地震が原因/吉井議員追及に保安院認める
↓↓↓↓
【After】福島原発事故最大のアンタッチャブル…電源喪失は津波が原因ではなかった

元記事の見出しでは「外部電源喪失」と意味内容の限定されていましたが、2chスレッドタイトルでは外部の文字が消えました。
わずかに文字の違いですが、「外部電源喪失」と「電源喪失」では受け取られ方が大違いです。
タイトルに引きずられて地震により全電源喪失したと見なす人が続出しました。

その誤解は、改変されたタイトルを2chまとめブログが継承し、それを読んだ人がTwitterに投稿することで瞬く間に広がりました。

**そもそも
電力会社の鉄塔が災害でやられるのは、特に珍しくなく、数年に一度程度の頻度で起きることです。
原子力発電所関係に限定しても21世紀に入ってから複数回起きている事故です。
2010年の衆議院経済産業委員会の議事録をさっと検索してみたところ
-2005年4月1日石川県羽咋市で高さ90メートルの北陸電力能登幹線の鉄塔が、大規模な地滑りの影響を受け倒壊し、送電できなくなったため志賀原子力発電所1号機を午前4時 30分に手動停止
-2008年の9月15日に美浜原発、鉄塔の上部折損。
等があるようです。
しかしそれらのケースでは炉心溶融には至りませんでした。

鉄塔が倒壊し外部電源が途絶したら即メルトダウンという話ではないのです。
内部電源も同時にやられたから冷却ができなくなったのです。

 - デマ, ニュース検証, ネット, 社会

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社会人になって数字の意味が理解できるなら、誰も苦労はしない

東京都副知事猪瀬直樹氏の以下の発言が話題になった。

inosenaoki数値を示しながら発言してください。気分で言う意味はまったくありません。このツイッターでも金町浄水場の数値、新宿のセンターの蛇口の数値(いずれも都庁HP)にあります。言語技術の基本です。数値以外の議論は無駄です。link
inosenaoki数値を示してもわからなければ゛わかる気がないということです。客観性という指標を否定したら、いま何時何分かも考えないで生きているということですから。別の個人的な不安を持ち込むのはやめたほうがよいです。link
inosenaoki仕事をしない専業主婦は、パートでもなんでも仕事をして社会人になってください。数値の意味がわかるようになるしかありませんから。不確かな気分で子どもを不安にさせてはいけません。link
inosenaoki数値を公表をしてもわからない人は「不定愁訴」です。ジョギングで気分でも変えください。行政の分野ではありません。link
inosenaoki不安だ、不安だと東京でぶつぶつ言う人にかぎって東北へボランティアに行かない。現地を見てきたらよい。想像力が足りないんだろうね。link
inosenaoki利己しかなく利他がみえない視野の狭い人には何を言っても無駄だね。link

色々言いたいことがありますが、二つだけ。
**社会人になって数字の意味が理解できるなら誰も苦労しない
ある数字を見て、それが意味するものを直観的に理解するためには、統計についての知識と、その分野についての基礎的知識が必要です。
これらの知識は社会人になれば自然に身につくようなものではありません。
社会人を何十年もやっていても、数字の意味が分からない方は沢山います。
また、ある程度基礎学力の高い方でも、専門分野については解説を必要となります。

数字の意味を理解するためには社会人になるよりも学生になって統計学あたりを基礎から学び直す方が近道ですし、その人が持っている知識に合わせた解説が無ければ判断はし難いわけです。

**災害情報と心的負担
今回の災害後に不安を訴える人に対して猪瀬氏は「数値を公表をしてもわからない人は「不定愁訴」です。」「行政の分野ではありません。」
と言っていますが僕はこれには賛成しかねます。

今不安になっている人の中には災害情報に直に触れたために、心的外傷を受けている人が多く見られます。
テレビなどで連日ショッキングな情報を見続けた為に心に深刻なダメージを受けた人が沢山いるわけです。
津波の画像を見るだけで気持ち悪くなったり、余震が発生するたびに不安で眠れなくなったりするんですね。

東日本大震災ほどの大災害の場合、この手の震災ストレスというものは社会問題たりえます。
震災後の不安症状に対するケアは「行政の分野でもある」と僕は考えます。

また、猪瀬氏は不安を訴える声に対して、「自分で調べろ」と、現状よりも災害情報へのアクセスを増やすアドバイスをしていますが、僕は賛成できません。

inosenaoki自分で調べ自分で考えなさい。 RT @kiiphone @inosenaoki 放射線の発癌率に与える影響に閾値があるかどうかを考慮した上での科学的発言を望みます。不安を煽るな、とおっしゃいますが、20ベクレル以下を不検出とされたとで、逆に不安になりました。link

不安症状にある人の場合、一時的に震災情報を遮断することはある意味有効です。
例えば日本小児神経学会は 子どもに被害映像を見せない配慮を! という記事を出しています。
新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授の碓井真史さんは 災害報道を見ているあなたへ というページで

ニュースを見ないことは悪いこと?

ある人から相談を受けました。毎日のニュースを見ているのは、とても辛い。でも、見ないのは、被害を受けた皆さんの現実から目をそらすことになり、いけないことなのではないかと。

なんという真面目な方なのでしょう。良い人です。世の中では、良い人ほど、心を痛めているものです。

さて、映像を見るのが辛ければ見るのをやめましょう。日常生活に支障をきたしているほどであれば、しばらく見るのをやめるべきです。自分の健康を守りましょう。

それは決して、現実から目をそむけることではありませんよ。

あなたは、被災地のみなさんの苦しみを、自分が苦しくなるほどにわかっているのですから。

災害報道を見ているあなたへ:災害ストレスに負けない方法(心理学総合案内こころの散歩道)

と述べています。
僕はこれに賛成する立場です。
不安症状が出ている人については「調べろ」よりも「しばらく休め」というべきかと思います。

しかし、家族がいる方の場合、精神状態が悪いのに情報収集を止めることが許されず、症状が悪化するケースがあります。
特に家庭内に大人が一人しかいない一人親世帯などでは、代わってくれる人がいないため深刻です。
自分で調べろ、不安は行政の分野ではない、という発言はこれらの方たちへのケアを放棄することを意味します。

猪瀬氏は不安症状が出ている方について「ボランティアに行かない」とも批判していますが、症状が出ている時点で、行政やボランティアに「支援される側」であると考えるべきかと思います。

以上が今回の猪瀬氏の発言群に対する感想になります。
**関連
-数値の持つ意味 – とらねこ日誌

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個人ゲーム攻略サイトをまとめwikiが駆逐したように、ソーシャルメディアが個人ブログを駆逐しつつあるのだろうか?

先日、有村悠氏とtwitterでこんな会話をした。
|y_arim|しかし、感覚としては例の記事、数年前なら100以上ブクマされてもっと炎上していたハズなんだが、ぼくも小物になったもんだな。平和ってステキね。|link|
|fut573|@y_arim テーマの旬が過ぎている感が|link|
|y_arim|@fut573 だいたい最近なに書いても10ブクマがいいとこだもんな。|link|
|fut573|@y_arim プラットフォームから外れているから、技術が必要な感じ|link|
|fut573|@y_arim 後単純に、調べた資料の量と、記事の文字数がはてダの全盛期に比べて数分の1になっているあたりとかも。|link|
|y_arim|はてなアイドルは順調に死んでいる。自ら望んでそうしたのだからいいことなのだ。|link|
|y_arim|@fut573 あー。正直最近仕事と同人誌作るのに忙しくてブログに割くリソースがないんだわ…モチベーションもかなり下がってる|link|
|fut573|@y_arim 割いたリソース違うんだから、評価もそれなりに変わってくるのが自然なんじゃないかなぁと。同レベルの作業したうえでブクマ付かないなら別だけど。|link|
|y_arim|@fut573 まあそりゃそうか。|link|
|fut573|@y_arim 純粋な読者はともかく、書き手を兼ねているようなタイプの人は、そういうの割と見ていると思う。|link|
|fut573|@y_arim 昔話や、過去に調べた知識のストックを元に書く記事が続くと、割と黄色信号。|link|
|y_arim|@fut573 いまその状況だわ。他に書きたいことがない。書いて何になるんだという気分になってる。|link|
|y_arim|世の中に対して言いたいことがなくなってきたら、もはや死期が近づいているのかもな。|link|
|fut573|@y_arim 知人のブロガーは、その手の記事が3つ続いたら、独力で記事書くの止めて、対談企画とかやることにしているって言っていたなぁ|link|
|fut573|@y_arim で、そのポジションの記事がtogetterに奪われて最近はしんどいんだとか。|link|
|fut573|@y_arim 意見をまとめる気力がないから、しかたなく情報まとめ系やろうとすると、今度はnaverと競合すると、まぁ詰んでるね|link|
|y_arim|@fut573 詰んでるねえ。あーめんどくさ。|link|
|fut573|@y_arim あとまぁ、限りあるハテブホッテントリーの枠を個人ブログ以外が相当数持っていくから、最近はてブ狙いも相当厳しいとかね。|link|
|fut573|@y_arim 少し前まで、大フィーバーしていたのが、楽天ソーシャルニュース。あれは大手ポータルサイトinfoseekのtopに掲載される。その上一時期は、定期的に記事を投稿するユーザーが数百人程度だったため、狙っていた人も割と多かった。|link|
|fut573|@y_arim 僕はあそこは、きっこのブログとかが評価最高ランクに位置するような読者層だったから、狙うのやめたけどね。|link|
|fut573|@y_arim 結局のところ、ゲーム攻略サイトをまとめwikiが駆逐していったのと同じ現象がはてブで起こっているんだと僕は見ている|link|
-(特にネット上の時事問題に関しては)ソーシャルメディア上の集合知に対して、ほとんどの個人ブロガーは、質はともかく速度ではほぼ太刀打ち出来ない現状がある。
-速度で勝てないから質で対抗しようとすると、労力が膨大なものになって疲弊してしまう。
-短い記事を書くと、twitterでいいじゃん!と言われてしまうので、短い記事を投稿しにくい空気がなんとなく形成されている。
-以前は調べ物に疲れて調べる気力がない時用の、比較的労力が少なくてもなんとかなる息抜き系の記事で一息つけたが、現在ではその手のジャンルがソーシャルメディアまとめ系のウェブサービスと競合し、供給過多となっている。
-イス取りゲームが激しくなって、ソーシャルブックマーク経由の導線を確保するためには、専門的知識が必要になってきた。
-商業記事と個人が趣味で書いている記事がソーシャルメディア上で並んで表示されるようになり、個人ブログに商業レベルのクオリティを要求される場面があること。
要するに、ブログのハードルが上がってしまい、一部の生産性が高い人以外は、一定以上の話題性を維持しながら、ブログ更新を継続することが厳しくなってきているのではないか?
で、読者が減ると、モチベーションが下がって更新が滞ったり、焦って変な方向に走って自滅してネットから消えて行ったりするブログが出てくる。気がつくとお気に入りのブログが「死んでいる」ことが増えていたり。
これも時代の流れでしょうがないのかなぁ。

はてブはリニューアルでどれだけユーザーが流出したんだろう

今日は久々にはてなダイアリーのアクセス解析をチェックした。
最近ろくに更新していないので、はてブトップページからのアクセス数は残念なことになっていた。検索エンジン経由のアクセスはともかく、ソーシャルブックマークからのアクセスは新記事をかかないと格段に落ちる。
それにしても、本家のトップからのアクセスと「ユーザー製の見やすいはてブ」系のアクセス数の比が結構均衡してきていることには結構驚いた。

はてな流入数
はてなダイアリーはリニューアル後のはてブトップでかなり優遇してもらっているのだけど、それでも本家トップページと「サードパーティ?系合計」との比は6:4ほどだった。

はてなブックマークからのアクセスは、はてブトップから「だけ」ではなく、お気に入り等から来る人もかなりいる。そのためアクセス全体として見ると、まだまだb.hatena.ne.jpが圧勝状態なのだが、トップページだけを見てみると、サードパーティ系がかなり食い込んでいる。これはうちだけの特殊事情なのか、それとも全体がこんな傾向なのか、ちょっと気になるところだ。

ちなみに僕の場合は、はてブトップはいつのまにか、たまに気が向いた時にチェックする程度になってしまった。「みんなが知りたいこと」と「僕が知りたいこと」にはズレがあって、そのずれによりはてブトップにはノイズが一定数あり、そのノイズを除外するためにスクロールしたり、視線をあちこち動かさなければならないのが、ちょっと嫌なのだ。滞在している時間あたりの有用な情報数が少ないというかなんというか。

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わかるけどわかるわけにはいかない

文章力とは、この世を生きる力であるという記事が話題になっていた。
「誰も教えてくれない人を動かす文章術」という本の紹介なのだが、この記事の内容はこれは一つの真実だろう。

一般論や正論は、書き手側は気持ちよいのですが、読む側は「そんなの当たり前」と感じてしまうのです。

文章力とは、この世を生きる力である

極論やレアケースは非常に印象に残るし、当事者の経験談は非常に参考になる。
多くの人が読んでくれる文章とはこうしたものだ。
僕も書評や感想文を読むときにはそういう文章を好む。

世に知られている事件は大抵レアケース

人がセンセーショナルな話題を好むというのは、文章以外でも当てはまる。
メディアで放送され、話題になっている事件というのは大抵印象的なレアケースだ。
例えば、自殺問題。
日本ではここ最近年間三万人以上自殺者が出ているが、その内報道されているのはどれくらいだろうか?
毎日新聞電子版で「自殺」をキーに見出し検索してみたところ、HITした件数は以下のとおりだった。

|*2007|407|
|*2006|384|
|*2005|255|
|*2004|197|
|*2003|197|
|*2002|275|
|*2001|216|
|*2000|278|
|*1999|266|
|*1998|266|
|*1998|352|
|*1997|201|
|*1996|266|
|*1995|210|
|*1994|239|
|*1993|98|
|*1992|105|
|*1991|150|

数字に自殺未遂事件が含まれること、個別の事件ではなく自殺問題そのものを扱った記事があること、重大事件は何度も報道されることを考えると、毎日新聞で報道された自殺者は全体の1%以下に過ぎない。
新聞を一つしか読まない人の場合、99%以上の自殺者のことを知らないまま、自殺問題のイメージを固めてしまいがちだ。
しかも報道された事件は「すべての自殺者からランダム」に選ばれたものではなく、ニュースバリューという価値によって選別されたものであり、大抵の場合、一般的なケースとは異なる要素を持っているのだ。
サンプルとしての偏りが非常に大きい。
これらの事件を元に一般的な自殺問題を考えると、間違った結論を下す可能性が非常に高いのではないだろうか。

これは他のニュースにも言えるし、ネットの噂話のたぐいでもいえる。
大抵の読者は当たり前のことなど求めてなく、レアケースを好む。
結果、極端な例ばかりが話題にのぼることになる。
このことを考慮し忘れると、偏った判断をしてしまう。

社会問題を論じるときには

ネット上である特定の事件が話題になっているとき、「それはレアケースの可能性がある」と指摘することには意味があると僕は考える。
多くの人が関心を寄せるセンセーショナルな問題は、特殊事例である可能性が高く、特殊事例を元に下された判断は「一般的な」当事者にとって無茶な要求となりがちだからだ。
無茶な要求をする人が多ければ、当事者は本当に無茶なことをしかねないし、その結果命を落とすこともある。

その文章術が有効であっても、使って良い場面と行けない場面があると僕は考える。
従って僕は、たとえ人気ブログになれなかったとしても、この文章術とは逆の方法を進みたい。
そして、他の社会問題を扱うブログでもこの文章術を使わないで欲しいと思っている。

まとめ

-この文章術は有効な可能性が高い。
-だが、それで作られた文章は現実から乖離したものになりがち。
-社会問題では使わないほうが良いテクニック。
-何かの事件を元に社会問題を考えるときには、それが一般例ではなく特殊例である可能性を常に考慮したほうが良い
-少数の極端な例を元に判断を下すことは危険。

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相手が実生活に被害を及ぼす場合は別

前回の続き
「【東日本大震災】福島から関東の方へ」の作者が作品を削除したことについて、有村氏がこんなことを言っていました。

同じ福島県民の方に、嫌な思いをさせたのは本当に悪いと思っています。

しかし、あの漫画で、あの訴えで、救われたと、
ありがとうといってくださる方も大勢いるんです。
私のまわり、福島、他県の友人も言っていることをまとめただけです。

表現力が足りないせいで不適切な発言もありますが、
それでも思ってる方がたくさんいるんです。
非難は覚悟の上です。

ですので、申し訳ないのですが削除するわけにはいきません。
私のことをどう思っていようと、かまいません。

できれば、死ぬほど嫌いでしょう、私などかまわず、
あなたにとって不快ない生活を送ってください。

失礼します。

と書いた以上――否、一度世に問うた以上、どのような批判が押し寄せようと削除などすべきではなかった。削除してしまった以上、率直に言わせていただくが、表現者としては圧倒的に覚悟が足りなかった。すなわち、ヘタレ以下である(まさかpixivにさんざ絵を投稿しておいて、表現者たる自負も自覚も無いなんていうことはあるまい?)。「論理性皆無の典型的な女の文章」などのクソッタレな意見が寄せられたのなら、ブチのめしゃあよかったのだ。ぼくがやったように。

行こう 殴り合おう 「disはいかが?」と | LUNATIC PROPHET

僕はこれについて、相手の行動が表現に対する批判としては行きすぎていたため、身を守るために作品を削除することには妥当性がある、という立場です。

**表現者は読まない人の批判に対応すべきなのか
今回の件では批判者の多くは、元の漫画を読んだわけではなく、その一部を抜き出したモノを読んで批判をしていました。
漫画というのは、どの情報をどのような順番でどう描くのかが大きな意味を持つ表現です。
ページとページの関係性を無視して一部を抜き出してしまうと、漫画はただの静止画の集まりと化してしまいます。

これは漫画という表現に対する批判として適切であるか疑問があります。
自分の表現を読まず、恣意的に切り取られたナニカをもって批判をしてくる相手に対して表現者は何をできるのか疑問があります。

**個人情報をネットに晒す動きがあった
例えば以下のような書き込みがありました。
>>
99 :名無しさん@涙目です。(関西地方):2011/04/15(金) 22:32:10.17 ID:fe6EYwsd0
はやく特定しろよ
<< 匿名掲示板で本人特定をされた場合、個人情報がネットに公開されたり、関係各所に電凸されたりして、実生活に負の影響を受ける恐れがあります。 これは表現に対する批判としては逸脱していると僕は考えます。このような行為をされて表現を続けられる人は少ないのではないかと思うのです。 ブログが炎上した時、それに対応できる方は何人もいますが、 相手がブログのコメント欄ではなく、自宅に電凸して自分ではなく家族に苦情を言ってきたとき、表現を続けることが出来る人はどれだけいるのでしょうか? 少なくても僕は無理です。ネット上の私刑が自分や周囲の人達の実生活へ被害を及ぼすのを避けるために、作品を削除し、リアルとのリンクを切断するというのは、許されるべきだと僕は考えます。(あくまで私刑に対する対応の話。法を犯すような表現をした結果、通報され、警察のごやっかいになり、実生活に負の影響を受けるケースは別問題になる)**したがって 彼女が作品を削除して「逃げた」ことには妥当性があると僕は考えます。 -表現を「読まないで批判するひと」が多かったこと。 -ネット上の私刑がリアルに影響を及ぼす恐れがあり、防衛上作品を削除することが有効であったこと がその理由です。ネット上で何かを表現する人は、それが全世界に公開されているという自覚が必要だという点 コミュニケーションを前提とした場において、表現者は批判を覚悟せねばならないという点 この辺は有村氏に同意するところも多いのですが、表現に対する批判の範疇を超えた「私刑」に対しては、別問題だと考えます。 僕は彼女を「ヘタレ以下」とは思いません。

孫正義氏はなぜデマを拡散してしまったのか

孫正義氏のTwitterアカウントは2011年4月12日現在107万5163人からフォローされている。
この数値は日本語ユーザーでは最大である。
日本のTwitterにおいて最大の影響力を誇る孫氏だが、今回、東日本大震災において、Twitter上で孫氏がデマを拡散してしまい、それを見た人が拡散してしまい混乱が広がったケースが多々みられた。
今回、孫氏がなぜデマを拡散してしまうかということについて分析してみたいと思う。

**本人もデマをRTしたことは認めている

孫正義
masason
私なんて間違えてデマRTした事何度もある。これからは、確認取るのも大変⁈
これから何回逮捕されるのか⁈
確証ない時は毎回⁈⁈⁈⁈
RT @uesugitakashi: 「ネット規制強化法案」を閣議決定 http://bit.ly/f1kaAI
2011-04-11
22:48:27
link

-「原発がどんなものか知ってほしい」について、孫正義(@ masason)さんとそれ以外のかたにもっと知って欲しいまとめ
-Togetter – 「大規模フォロアー保持者 @masason 氏が華麗にデマを拡散していく様 #seiji #softbank #dema」

なども参照のこと

**分析
孫正義氏は震災発生から現在までにpostしたツイートは373回である。
@を含むツイートは293回
RTを含むツイートは276回
リンクを含むツイートは118回
となっている

項目抽出数
総tweet373
リンク118
RT276
@293

孫氏のツイートは大半は
+ソフトバンクとしての通知
+孫氏個人が誰かと話しあって得た情報を伝える
+タイムライン上で見られた話題についてのレスポンス
のどれかに分類できる

**ソフトバンクとしての通知
被災地でのiPhone無償修理や災害伝言板の情報など。
これは正確かつ素早い情報で、ソフトバンクユーザーにとっては有益な情報だ。

**孫氏個人が誰かと話しあって得た情報
被害自治体の責任者と対談した足りないもの情報など。
これも公益性が高い情報といえる

**タイムライン上で見られた話題についてのレスポンス
今回孫氏の流してしまったデマはほとんどがここに属する。
孫氏のツイートの大半は@やRTがついたものとなっており、コミュニケーションツールとしての側面が強く出ている。
リアルタイムの情報に対する孫氏のレスポンスは素早く、すぐに反応があることも珍しくない。
これは検証に時間を払っていないとも言える。

***他の情報源に当たったケースは皆無であった
孫氏はTLに流れている情報をそのまま流すことが多く、その情報に対して他の媒体で得た知識を加味したケースはほぼ無かった。
複数の情報源にあたって検証するというステップを踏んでいない可能性がある。

これは、TLに流れているデマが孫氏の所で止まる確率が低いことと、デマをそのまま拡散してしまう危険性がある事を意味する。

このような投稿姿勢は、刻々と変化する事件については極めて弱くなる。
過去に起こった出来事についての分析は「今まで得た知識と経験」でカバーできるがリアルタイムに流れる情報についての分析は、その場で調べた情報量がものをいうからだ。

震災後のようにTLに多くのデマが流れる時には、複数の情報源を比較検証したか否かが真偽判定の鍵となる。
そういう意味では、「ある程度暇じゃないと正しい情報を得ることは困難」とも言える。

**忙しすぎる
一つの問題について、いくつもの情報を比較検証するためには膨大な時間が必要となる。
それが許される人は少数派である。
検証に割ける時間の不足。
ネットにおいて著名人がデマを拡散してしまう理由の一つはそこにある。
孫氏もこの罠に嵌っているのではないかというのが僕の意見である。

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【新はてブ】突き詰めていくと公式は非公式に勝てない

以下の図は現在のはてなブックマークトップページのコンテンツを種類別に分析したもの
新はてなブックマークトップ
黄緑色に塗った部分が広告用の枠。
オレンジ色に塗った部分は自社コンテンツや自社のユーザーのコンテンツの枠。
自社コンテンツの場合、リンク先にはてなの広告が貼ってあるので、準広告枠という性質もあります。
紫色に塗った部分は一般枠、というか被はてブ数に準じた人気ランキングの枠です。
画面全体に占める一般枠の割合はそんなに多くありません。
さて、次の図は嫁のはてブで同じ分析をしたものです。
嫁のはてブ
ほぼ画面のほぼすべてが一般枠となっています。

開発費やサーバー代や保守費用をかけているはてな公式は、ユーザビリティとマネタイズを並列してサイトデザインをせざるをえないため、広告やそれに準じる自社コンテンツへの導線を組み込まざるを得ない状況。
オレンジや黄緑の部分をなくしてはシステムを維持できないわけです。

一方非公式サイトである「嫁のはてブ」はコストを考えなくていいので純粋に利便性だけを追求することが可能で、紫の部分だけを並べることができます。

このような条件の違いがある以上、突き詰めていくとはてブ公式は利便性において非公式に勝てないのではないかと僕は思っています。

はてなブックマークというのは要するに一定期間内に獲得したブクマの数が多ければ多いほど良質なコンテンツであるという思想のランキングなのですから、下駄を履かせた自社コンテンツがインターネット全体の総合ランキングに質で勝つことは困難です。
ユーザーが一定時間内に得られる情報の質においても、公式が勝利するのは難しそうだなとも思っています。

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ゆっくりに「くら社員三誓」を35秒で読ませてみた

くら寿司が内定辞退を強要しているのではないか?という記事があった。
-内定辞退のウラになにがあったのか
この中で「くら社員三誓暗唱、35秒以内で暗唱出来ていない場合は帰宅してもらいます。(略)合宿中の課題を合格出来ない場合は入社する意思がないものと判断し帰宅してもらいます」という課題が紹介されていた。
今回は、これがどの程度の難易度なのかを示す為に、ゆっくりことSoftalkを使い、35秒で全文を読ませてみた。

mp3
これで、34.657秒だ。正直これは常人には厳しいのではないだろうか?

**くら社員三誓

くら社員三誓
ひとつ、私は人と会話することが大好きな社員となります。
その為に人に好意を持ちます
人を喜ばせることが自分の喜びと思います。
いつも明るい笑顔で自分から積極的に話しかけます。
また、常にプラス思考で自分と会話すれば相手が明るく元気になれるように働きかけます。

ひとつ、私は自ら進んで仕事を覚える社員となります。
その為にマニュアルをしっかりと覚えます。
常に向上心を持ち新しい仕事に取り組みます
またどんな仕事を頼まれても自分を成長させるチャンスと考えて喜んで引き受けます。

ひとつ、私は社会人としての基本を身につける社員となります。
その為に早寝早起きをします。
手洗いうがいを徹底し、バランス良く食事し、体調管理に気を配ります。
毎日新聞・本を読み知識を深めます。また、交通ルールやエチケットを守り健全な社会生活を送ります。

イケダハヤトrss
イケダハヤトさんに言及されたけど、流入pv200以下だったという話については

あと余談になるがイケダ氏のブログに私のブログがリンクされたことがるが、流入アクセス数が「200未満」で、あまりにも少なくて驚いた。ブログの影響力を測定するにはいろいろな数値がある。1つはPV、そしてもう1つは記事・エントリーでリンクしたサイトにどれだけアクセスを送りこめるか… が重要だ。これについてはまた機会がある時に説明したい。

「『月20万稼げるブログ」を運営する上で気をつけている5つのこと』」は間違いだらけ – Hagex-day.info

イケダハヤトさんに言及されたけど、流入pv200以下だったという話については、そんなもんじゃないかなぁと思う。言及元のデータを元に大雑把に計算してみよう。

今では月間約20万PVを、検索経由で獲得しています。

検索経由のトラフィックは、現在サイトトラフィック全体の43%ほどとなっています。ざっくりいえば、収益の約4割は過去記事が生み出しているということです。検索エンジンで読まれる記事を書けば書くほど、サイトの収益性は座布団を重ねるように増加・安定していきます。

「月20万稼げるブログ」を運営する上で気をつけている5つのこと | ihayato.news

1. 過去記事のアクセスが約4割で約20万pvという話ならば、新しい記事のpvは約30万位となる。
(しかし実際はtwitetr等で過去記事へ言及されるケースもあるし、検索数には新着記事も含まれるだろうから、検索数≒過去記事のトラフィックというのは極めてざっくりした把握だが)
2. Google Readerによると、イケダハヤトさんは現在週間41,3回のペースでブログを更新しているようだ。
(一日あたり約6記事 一ヶ月180記事弱のペース)

3. 30万pv ÷ 180記事 = 一記事あたり平均 1700弱pv
4. 記事を読んだ人の一割位の人がリンクをクリックしたとしたら流入アクセスは平均して170前後となる。
(ちなみに僕の経験上、炎上案件等の読者が言及元に強く興味を持つリンクの場合クリック率30%くらいになることがある一方。その辺の広告とかだと0.1%とかである)

実際の所、各記事のpvは一定ではなく、極一部の人気記事が何万アクセスも稼いでいる状況であろうから、中央値は恐らくもっと下であろう。
となると、”イケダ氏のブログに私のブログがリンクされたことがるが、流入アクセス数が「200未満」で、あまりにも少なくて驚いた。”というhagexさんの話については、「イケダさんの平均pvから予想される言及された時の期待値としてはそんなものじゃない?」
という答えになる。
ちなみにHagexさん曰く、

全体のアクセス量の43%が検索エンジンからというのは、「ファン型コンテンツ」として大失敗している証拠だ。ちなみに私の日記はイケダ氏の約6倍ぐらいのアクセスがあるが、9割が再訪問者だ。

「『月20万稼げるブログ」を運営する上で気をつけている5つのこと』」は間違いだらけ – Hagex-day.info

とのことだが、Hagexさんの更新数は週間67で、イケダさんの1.5倍位ある。

**ブログのpvの話については
人気ブログのpvについては、それを何記事で達成しているのか、どこからの流入で達成しているか、ということをチェックすると色々面白いことが見えてくる。
ホームラン級の記事を量産する人もいれば、ヒットをコツコツ積み重ねる人もいる。普段は三振ばかりだが時々さよなら逆転満塁ホームランを打つ人もいる。
とりあえず、僕は月間3桁更新できる人じゃないので、イケダさんタイプのブログを運営することは無理そうだ。

hatebtop100twitter
はてブ上位100人の平均フォロワー数は12482人

**はてなブックマーカーの人気ユーザーのフォロワー数
-はてなーの戦闘力は平均的ユーザーの12倍 | ネットの海の漂流者
の関連ネタ。
はてなブックマークのユーザーの内、twitterIDが確認できたユーザーをお気に入られ数上位から100人選んで、フォロワー数を調査した表が以下のURL
-はてなブックマーク上位ユーザーのtwitterフォロワー数 | 資料庫

平均フォロワー数は12481.76人であった。
これは平均的なtwitterユーザーの208倍にあたる。
**超人気ユーザーが平均値を押し上げる
|*フォロワー数|*該当ユーザー数|
|0~9|0|
|10~99|2|
|100~999|10|
|1000~9999|62|
|10000~99999|22|
|100000~999999|4|
22万人以上にフォローされている津田大介氏、18万人以上にフォローされているネタフルのコグレマサト氏のようなフォロワー10万超のユーザーが4名確認できた。
この人たちの存在が平均値を押し上げた結果、平均フォロワー数12482人という数字が出てきた。
ちなみに、各ユーザー間で何百倍も差がある数値を比較するときには平均値はふさわしくない値なので、中央値も出しておくとこれは3692人である。